日本オープン最終日。待ちに待ったファイナルは、弱冠15歳の國母和宏、ソルトレイク五輪・金メダリストのケリー・クラークの優勝で幕を閉じた。MEN 25名、WOMEN 24名のファイナリストには、3日目まで勝ち残った選手に加え、ロス・パワーズ、ライオ田原、國母。そして、WOMENには、スティーネ・バーン・ケルダースを含めパイプのスペシャリストがズラリ。ショーン・ホワイトは膝の怪我、テリエ・ハーコンセンは、来日直前に第2子誕生と、2人のスーパースターが欠場したものの、降りしきる雨の中、集まったギャラリーたちを釘付けにするのには十分過ぎるファイナルバトルとなった。
そのWOMENファイナル。日本勢では安定したエアとフロントサイド(以下、FS)540インディーグラブを、しっかり決めてきた三輪明子が4位、ハイエアを連発してきた橋本通代が6位、現在、PSAランキング1位を直走る三井真紀が7位に食い込んできたものの、スピードと高さ、そして当たり前のように720を組み入れてくる海外選手とのレベルの差は歴然だった。優勝したケリーは、フロントサイドの540インディーグラブミュートグラブから入り、トゥイーク→720インディーグラブ→キャバレリアル→インディーグラブと、MENに勝るとも劣らないルーティーン。50ポイント近くも、日本人最高位の三輪を突き放していた。
それに対し、MENのファイナルでは、難易度の高いトリックに果敢に挑む日本人選手が続出。ライオ、岩橋優がロデオで魅せれば、TATSU、吉野満彦、鈴木拓巳がハイエアとビッグマックでギャラリーを沸かせ、西沢孝征、山本正丈らも900、1080を何度も繰り出した。海外勢が多く参加する日本オープンならではともいえる“攻めのライディング”が素晴らしかった。そんな中、國母和宏が1本目は失敗したものの、2、3本目にトリプルオーバーのマックツイストから入り→インディーグラブ、トゥイークを繋げ、1080からスイッチ900でフィニッシュ。自ら出した2本目の最高ポイントを3本目でさらに塗り替えての完璧な優勝だった。「今日は、自分のやりたかったことが思い通りに出来ました。前日のワールドカップが予選落ちだったので嬉しいです」(國母)と、20,000ドルを1日にして手に入れた15歳のスーパースターはファンにもみくちゃにされながらコメントを残してくれた。
ソルトレイク五輪やX-GAMEなど、世界一のパイプを作り出してきたパイプマシーン“パイプモンスター”を日本で初めて使用し、世界一のパイプデザイナー、パット・マレンドスキーによって作られたスーパーハーフパイプ。大会期間中、天候には恵まれなかったものの、そのスーパーハーフパイプで魅せてくれた素晴らしいセッションの数々は、選手だけでなく、集まったギャラリーにとっても最高のコンペティションとなったのだ。
RESULT
MEN | WOMEN | ||
---|---|---|---|
1位 | 國母和宏 (JPN) | 1位 | CLRAK Kelly (USA) |
2位 | LUEPS Vinzenz (GER) | 2位 | REUTELER Fabienne (SUI) |
3位 | HAST Miikka (FIN) | 3位 | WIIK Lisa (NOR) |
4位 | MICHAELIS Jan (GER) | 4位 | 三輪明子 (JPN) |
5位 | DILLON Keir (USA) | 5位 | KJELDAAS Stine Brun (NOR) |
6位 | FINCH Andy (USA) | 6位 | 橋本通代 (JPN) |
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