今年で22回目を迎えるBURTON主催の歴史ある大会「U.S.OPEN」のジャッジにアメリカ、バーモント州ストラットンリゾートに行ったリポートです。3月14日昼のフライト、まずは名古屋からデトロイトで乗り換えニューヨーク州アルバニー空港へ。しかし、最初の名古屋からのフライトで自分の席に外人のおっさんが座っているではないか!外人のスチュワーデスに言い、どいてもらおうとおもったら同じシート番号!空港会社の手違いで同じ席が2枚発行されていたみたい。少し待ってといわれ飛行機の隅に追いやられ約10分間立ちん坊が続く。やっと帰って来たと思えば、座っている外人をビジネスシートに僕はエコノミー(涙)立って待っていたあの時間は?しかしこの旅のトラブルはこんなものでは終わらない。
最初から分かっていた事だが、実はアルバニー空港で約6時間、他のジャッジを空港で待たなければいけない。分かっていたが実際に6時間は長い!初めていった空港だが日本に例えれば北海道の旭川空港といったところか?外は寒いし、空港には何もない。疲れて椅子で仮眠したり、お茶したりって、気付けば持っていたはず帰りの航空券を紛失!カウンターで確認しとりあえずは問題なかったが、、。6時間後、カナダ、ウィスラーからZALTONとチェコスロバキアからROBERTと合流しレンタカーでストラットンへ向かい、現地時間の夜12時ぐらいに到着する。結局日本のフライトからは約24時間以上が過ぎていた。
今回の大会の日程は火曜日から日曜日まで。ハーフパイプ、スロープスタイル、レイルとそれぞれの予選、決勝があるため、かなり長い日程となる。まずはハーフパイプの招待選手を除く選手は長い道のりとなる予選からスタート。日本からは朝妻純子、中井孝治、村上フミユキ、石原タカヒロ、吉野満彦、中山ゆうや等が出場。さすがに日本のトッププロ、この辺りは余裕で全員通過。その後のセミファイナルでは招待選手の国母和弘、田原ライオ日本人の始め、Danny Kass, SteveFisher, Ross Powers, Andy Finch, Keir Dillon, Terje Haakonsen, Shaun White などが出場。テリエも久々のパイプなのかスピンは一切無し、怪我が直っていないShaunもライディングし決勝へ駒を進めるがキャンセルと、二人のスーパースターは早々と姿を消す。日本人では決勝へは行けなかったが村上はずば抜けた高さでみんなの視線を集めていた。決勝へ出場する男子16人、女子8人でのジャムファイナル。それぞれ約1時間の間でどれだけ滑っても良い。男子の技はついに新しいステージへと到達した、cab1080°to front1080°bg°をメイクし優勝したDANNY KASS、同じく1080fg°to cab1080°をメイクしたROSS POWERS、際立った高さで注目されて中井と石原タカ。Steve Fisherもコントロールされた技で2位。女子ではHannah Teter, Kjersti Buaas, Tricia Byrnes、そして優勝したKelly Clarkもすばらしいライディングで女子でもfront900°はスタンダードになって来ているようだ。注目されていた国母和弘は6位。決勝、ハーカンでリップに引っかかり高さ5Mからバックドロップ。脳震盪で約30分ほどFINALを中断する事に、とりあえず大丈夫のですがかなり心配されました。
そして金曜の夜に行われたRAILJAM。その両サイドには観客席が設けられ約1,000名の観客にすばらしいセッションを提供した。レールのセットアップは難易度が高い7つのレールがステアー(階段)によってセパレートされていた。招待選手にはDCP,Rahm Klampert, Travis Rice, Jeremy jones, Danny kass等が出場。ずっと難しい技をメイクし続けた昨年優勝者のTravis Riceを押さえ優勝したのはRahm Klampertだ。ダウン-フラット-ダウンBoxで50-50からフラット部分でFS540offをメイクし6,000ドルをゲットした。しかしナイトジャムという事でただでさえ硬いストラットンの雪。夜になってさらに硬くなり男子、女子共に怪我人も多く出た事も付け加えておこう。
最終日に行われたSLOPESTYLE、ここ数年、もっとも注目されている種目と行ってもいいだろう。ジャッジは2人ずつ3カ所に分かれタワーの上でのジャッジとなる。しかしこれが回りに囲いやテントみたいな横幕も無い全くの吹きっさらし。さらにその気温はマイナス約10度、暖房器具もなくさらこの日はストームが直撃。ダウンジャケットを来てフル装備でジャッジするが、意識はもうろうとし、手はかじかみ、鼻水は止まらない。さらにジャッジペーパーも濡れて書き込みも困難な状態で約7時間のジャッジングとなった。コースは台形のBOXから始まり、フラットダウンの丸レール、2WAYのキッカーが3つ続き、さらにもう1つキッカー、最後に2WAYでストレートとキンクレールが待ち受ける約600Mのスペシャルなコース。予選でいい滑りをみせて見せていた国母はPIPEでのトラブルで大事をとって決勝はキャンセル。男子20人が女子10人がファイナルで戦った。女子の優勝はPriscilla Levac。Kelly Clarkは2位となった。注目の男子ファイナルが始まる頃には吹雪はさらに強くなる。Danny Kass, Roger Hjelmstadstuen, Heikki Sorsa, Stian Solberg(JP Solbergの弟), Travis Rice優勝は地元バーモント出身のJake Blauveltは確実なライディングをプッシュし、FS7,CAB7,SWBS5そして最後のレールでFSボードスライド270outで20,000ドルをゲット。Travis Riceも安定した滑りで2位入る。Fredrik Austboも若いながらも今後が楽しみな滑りをしていた。
このリゾートには食事出来るレストランが2カ所しか無く晩御飯時には大混雑する為、毎晩テイクアウトのPIZZAを一緒の部屋のアダム・メリマンと食べる事になる。このアダムがまた面白い奴で、退屈な山の生活をなんとかしのがせてくれた。僕も覚えていたのだが、彼は昔いくつかのスノーボードのビデオに出演していた事もありかなり顔は広い。彼はテリエとも仲がいいようで、最終日大会終了後にはありがたい事にテリエも一緒のテーブルで食事をする事になった。来週に控えたATC(アークティックチャレンジ、ノルウェーでテリエが開催してる大会)の話をし、アダムは急遽、ATCのジャッジに呼ばれて喜んでもいた。
長かった6日間の大会が終わり帰路につくが、帰りは帰りでまたトラブルがまっていた。まずはアルバニー空港で1泊しなければいけないのだが、この宿が全くなく約4時間のドライブでやっとゲット。さらにその後、帰りの飛行機では機長が不在なんて言う訳の判らない理由で5時間も空港で待ちぼうけ。そして飛行機内ではむちゃくちゃ大勢のフィリピン人のツアー客にかこまれ、大味のアメリカの食事にも飽き飽きし、やはり日本が一番と実感させてもらった旅でした。大会の詳細は下記で確認出来ます。