GWの前の人の少ない場所を狙って、海外にサーフィンに行こうと話が2月に持ち上がった。いつも立山などに一緒に行っている児玉氏と今回は立山を見送って、サーフトリップをチョイス。新しくSIDECARのスタッフとして入ったばかりの松田周も合わせ3人で場所を練り合わせ、金銭的にもチープなインドネシアをチョイス。数年前にもバリに個人的にサーフィンをしに行ったことがあるが、バリのクタの雑踏と観光地化された雰囲気に打ちのめされた苦い経験もあって、今回はその隣の島、ロンボクに行くこととなった。
4月18日、中部国際空港を朝10:30のガルーダインドネシアのフライト、バリのデンパサール経由でマタラム空港へ、現地で唐辛子意味を持つロンボク島へ到着。80%の人々がイスラム教でほとんどの人々が農業を営む人口220万人の島。空港からさらに車で1時間半くらいのドライブで島の南へ進み、苦い思いをしたバリと同じくクタという町へ向かう。途中で車のタイヤがバーストするというハプニングにも見回れながらも、なんとか現地へ到着する。
第一印象は自然がすばらしく、コンクリートが少ない。電話もなければもちろんインターネットもない。普通の家庭には電気も通っていないところも数多くある。今の自分の生活とはかけ離れた場所。
ロンボクには数多くのポイントが点在する。その昔初めてサーファーの目に留まったポイント「バンコバンコ」世界最高級の波が立つポイントで、今回僕らは行っていないが、チューブセクションのある、上級者オンリーの波らしい。その他にも乾期のみアクセス可能な「マウイ」。クタからカヌーでアクセスする「アイル・グリン」や「エカス」などなど、上級者からある程度の中級者までホントに幅広いサーフィンが楽しめる。その中でも「グルプック」には「インサイド」「アウトサイド」「カメ」「コドモ」「テラ」の5カ所のポイントがあり、全てポイントブレイク。その中でも「インサイド」無難ないい波がコンスタントにあり、いつでもサーフィンが楽しめる。
早速、飛行機で壊れないようにパッキングしてあるサーフボードを急いで出して、「グルプック」へ向かい、そこからボートで約20分でアクセスできる、グルプックのインサイド。サイズはセットで頭〜頭オーバーくらいの波。メローで乗り易く、ロングライド可能。ゲッティングアウトもし易く、どんな人でも楽しめる感じの波で人もコンスタントに15人位、運のいい時は貸切も有る。基本はレギュラーの波の方がのびる感じで、かなり乗り継げる。トリプルオーバーまでクローズはしないらしいが、僕らの滞在中には胸〜頭オーバーぐらいサイズが多かった。久々のいい波にかなり興奮し、その日は日が暮れるまでサーフィンしたのは言うまでもない。
今回のベース「タツトゥーラホテル」はクタの中でも比較的新しいホテル。そしてその目の前に今年新しくできた「BONG'S CAFE」。オーナーMANBOの息子の名前をとって1ヶ月前にできたこのCAFEには今回かなりお世話なった。飯はうまいし、スタッフもかなりいい感じ。ほとんどが英語でのやり取りだけど、旅先でのコミュニケーションほど楽しいものはない。ランチとディナーは100%ここだった。
ロンボクのいいところはまず人の温かさにあると思う。日本の忙しい時間を忘れ、暖かい人と人とのコミュニケーション。これにつきる。道は舗装もされていない所も多いし、停電もしばしば。そんな中でも久々に自分の時間を楽しめるそんな場所。物価も日本の10分の1くらいだろうか、各家庭にテレビなんてトンでもない場所。でも人々のパワーとその汚れの無い瞳には、いろいろと考えさせられるものがある。そんなロンボクにも数年後には国際空港ができると現地の人々はいう。今のすばらしい自然と、温かい人々がかわらないことを祈りたい。
TEXT BY - IKUHO NIIMI